着物の収納方法とは?収納前のお手入れ方法や収納時の注意点を解説
着物をどう収納すればよいかわからず、困っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。この記事では、着物の収納前のお手入れ方法や、収納に最適な場所、収納ケースの選び方、注意点、役立つアイテムを解説します。
着物の収納方法がわからないという方は、是非参考にしてください。
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着物の収納前にするべき準備、お手入れ方法
着物を着た後は汗やホコリなどの小さな汚れが付着するため、収納する前には以下のような準備やお手入れをしておくことが大切です。
- 陰干しして湿気を取る
- クリーニングに出す
- たとう紙に包む
着物の収納前にするべき準備、お手入れ方法をそれぞれ見ていきましょう。
陰干しして湿気を取る
着物を着用した後には必ず陰干しをし、湿気を取るようにしましょう。陰干しせずに収納してしまうと、着物に湿気がこもりカビの発生や悪臭の原因になります。
直射日光の当たらない場所で、半日〜1日程度陰干しすることで、湿気と熱を飛ばすことができます。着物を干す際にはしっかりとシワを伸ばし、着物用ハンガーを使って干すのがおすすめです。
クリーニングに出す
着物に汚れやシミがある場合には、クリーニングに出してから収納するようにしましょう。とくに着物クリーニング専門店や呉服店を利用するのがおすすめです。
着物クリーニング専門店や呉服店は着物に関する知識を持っているので、クリーニングによる生地の縮みや穴あきなどのトラブルが起こりにくくなります。
たとう紙に包む
着物を長持ちさせるためには、畳んだ着物を「たとう紙」に包んで収納しましょう。たとう紙とは、主に着物を収納する際に利用される包み紙のことを言います。
たとう紙は和紙で作られているものが多く、繊維同士の隙間が多く通気性や吸水性が高くなっています。なお、たとう紙は消耗品なので定期的な交換が必要になります。
着物を収納するのに最適な環境
着物は直射日光が当たらず、湿気が少ない場所に収納するのが最適です。環境の悪い場所に収納してしまうと、大切な着物にカビや虫食いが発生してしまうこともあります。
着物を収納するのに最適な環境は、以下のような場所です。
- 直射日光の当たらない湿気が少ない場所
- 桐のタンス
それぞれ具体的にどういったものか、ご紹介します。
直射日光の当たらない湿気が少ない場所
前述のとおり、着物は直射日光が当たらず、湿気が少ない場所に収納するのが最適です。着物が直射日光に長時間当たると変色や色褪せが起こります。
また、着物は空気中の湿気を吸いやすいので、湿気の多い場所での収納はカビが発生する原因になります。
桐のタンス
桐のタンスは着物の収納場所として最適です。桐には防湿効果、抗菌効果、保温効果などがあり、着物の収納に適した環境が整っています。
ただし、桐のタンスは高価なものが多くなっています。桐のタンスの代用として、除湿シートや防虫剤を入れた洋服用のチェストやプラスチックの衣装ケースに入れて収納するのもおすすめです。
着物の収納ケースの選び方
着物の収納ケースは、以下のようなポイントをおさえて選択しましょう。
- 材質が桐のものを選ぶ
- 底が浅いものを選ぶ
着物の収納ケースの選び方を、それぞれ解説します。
材質が桐のものを選ぶ
着物の収納場所として収納ケースを使用したい場合は、桐材を使用したものを選ぶとよいでしょう。桐材の収納ケースであれば、桐のタンスよりは安価で購入しやすく、スペースも必要としない場合が多いです。
桐材は通気性がよく、軽量であるため取り扱いがしやすい素材です。桐のタンス同様に、着物の収納にもおすすめです。
底が浅いものを選ぶ
着物の収納ケースは底の浅いものを選ぶのもポイントです。着物を重ねて収納する場合には2、3枚程度にとどめ、重ねすぎないように注意しましょう。
着物を重ねすぎると、型崩れやシワの原因になります。
着物収納時の注意点
着物は直射日光が当たらず、湿気が少ない場所に収納するのが最適です。また、ホコリが付かないように収納するのも大切です。着物は高価なものも多いので、以下のような点に注意し劣化を防止しましょう。
- 1枚ずつたとう紙に包み収納
- 詰め込みすぎない
- 生地によって分けて収納
- 防虫剤は1種類のみ入れる
着物を収納する際の注意点をそれぞれご紹介します。
1枚ずつたとう紙に包み収納
着物をたとう紙に包む際には、1枚ずつ包むことが大切です。着物を畳んで1枚ずつ包むことで、着物同士の摩擦による劣化を防いでくれます。
たとう紙の交換時期は半年〜1年程度が一般的です。ただし、たとう紙が変色していたり、シミや汚れが付いている場合にはすぐに交換しましょう。
詰め込みすぎない
収納スペースがないからといって着物をタンスや収納ケースに詰め込みすぎるのはやめましょう。詰め込みすぎるとシワや型崩れの原因になります。
目安として、たとう紙に包んだ着物を2、3枚程度重ねたら、次の引き出しや収納ケースに入れるとよいでしょう。
生地によって分けて収納
着物は生地によって収納する場所を分けることが大切です。例えばウールの着物と正絹(100%絹糸を使って織られている生地)の着物は同じ場所に収納してはいけません。
ウールは虫食いが起こりやすい素材であり、正絹と同じ場所に収納すると正絹の着物まで虫食いが起こる可能性があります。
また、ウール素材のニットやマフラーなども正絹の着物とは分けて収納しましょう。
防虫剤は1種類のみ入れる
着物の虫食いを防ぐのに有効な防虫剤は1種類のみ入れるようにしましょう。成分の異なる防虫剤を入れると化学反応が起こり、変色やシミの原因になる可能性があります。
また、防虫剤は着物に直接触れないようにしましょう。防虫剤が着物に直接触れてしまうことも化学反応による変色の原因となる場合があります。
着物の収納に役立つアイテム
着物を収納する際には、アイテムを活用することで整理がしやすくなります。以下のようなアイテムを利用してみましょう。
- 収納パック
- 除湿・防虫シート
- きもの枕
- 着物ハンガー
- 不織布収納ケース
- 桐すのこ
アイテム別に特徴や使い方をご紹介します。
収納パック
収納パックはたとう紙に包んだ着物や帯をそのまま入れられる便利なアイテムです。ジッパーで口を閉じるタイプのものなら出し入れもしやすく、カビや変色から着物を守ってくれます。
紫外線をカットしてくれるUV加工済みのものや、除湿シートが付属しているものもあります。
除湿・防虫シート
着物にとって大敵である湿気や虫から守ってくれるアイテムが除湿・防虫シートです。ただし、除湿・防虫シートは約半年〜1年ほどで交換が必要になります。
交換しないでいると水分が溜まり、カビ発生の原因になるので注意しましょう。除湿シートは天日干しをすることで繰り返し使用できるものもあるので、活用してみてもよいでしょう。
きもの枕
きもの枕とは、着物や帯を畳む際に出来る折りジワを軽減してくれる筒状のクッションです。着物を折り畳んだ箇所にきもの枕を挟んでおくことで、長期間収納してもシワが付きにくくなります。
きもの枕の中には、芯に除湿・防虫効果に優れたシートを使用したものもあります。
着物ハンガー
着物は洋服用のハンガーを使用するとサイズが合わず、型崩れを起こしてしまいます。着物ハンガーは伸縮性があり着物の型崩れを防いで吊るすことができます。
着物ハンガーにはたとう紙に包んだ状態で吊るすことができるものもあり、衿や袖が垂れ下がりません。
不織布収納ケース
不織布収納ケースは帯や和小物、バッグなどを収納するのに便利なアイテムです。不織布は通気性がよく軽いのが特徴です。
使わないときにはコンパクトになりますし、サイズやデザインも豊富なのでおすすめです。
桐すのこ
プラスチックの収納ケースやクラフトケースなどで着物を収納する際には、ケースの底に桐すのこを敷いておくことで湿度の調整をしてくれます。また、クローゼットや押入れの収納ケースの下に敷けば通気性がアップしカビの発生を抑えることが可能です。
着物を収納する際はお手入れだけでなく、収納場所にも気を付けよう
ここまで着物の収納前のお手入れ方法や、収納に最適な場所、収納ケースの選び方、注意点、役立つアイテムを解説してきました。着物はデリケートな衣類ですが、湿気対策や防虫対策をし、直射日光の当たらない場所へ収納することで劣化を防ぐことができます。
着物の収納場所にお困りの方は、トランクルームの利用もおすすめです。トランクルームとは自宅の収納の延長として利用できる収納スペースで、主に屋内型と屋外型の2種類があります。
空調管理や温度管理が整備されていることの多い「屋内型トランクルーム」は、着物の収納スペースに向いている場合が多いとされています。着物の収納場所については、最適な環境かをよく吟味して選択しましょう。
参考記事:トランクルームに空調設備はある?メリット・デメリットを解説
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監修
エリアリンク株式会社 マーケティング部
小川 真澄
2020年8月 整理収納アドバイザー2級 取得
2022年5月 整理収納アドバイザー1級 取得
子どもの時からお片付けや断捨離は大の苦手。整理収納アドバイザー2級の勉強を機に、お片付けには理論やセオリーがあり、身の回りを整理整頓すると生活がかなり快適になることに感動。お片付けのプロになりたいと思い立ち1級を取得。
大切な物を捨てずとも、整理収納の知識とトランクルームを掛け合わせ、より暮らしやすい生活を提案するために日々奮闘しています。