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「ストレージマジック」

トランクルームに不要な荷物を収納して、部屋や事務所が広くなったり、きれいになったりすると…。思いがけずいいことが起きたりします。これこそがストレージマジック! みなさんにもそんなハッピーな体験をしていただければ嬉しいです。

整理収納アドバイザー2級認定講座を受けて、
お片付け上手→お片付けの達人を目指しませんか?

住まいをすっきり片付けて、気持ちよく快適に暮らしたいのにうまく片付けられない……。
収納以前に、お片付けができないという人は、まず整理収納を学んでみてはいかがでしょうか?
今回は、お片付けが大の苦手な6名の方に『整理収納アドバイザー2級認定講座』を受講してもらい、受講後、意識がどう変わったのかを検証してみました。
講師のすはらひろこ先生にも、ためになるお話をたくさん伺いました。

整理収納アドバイザーってどんな資格?

『整理収納アドバイザー』とは、整理収納に関する豊富な知識を持ち、困っている人にアドバイスをする人のこと。

資格は、ハウスキーピング協会*が、講座を実施し、資格認定をしています。『整理収納アドバイザー』の資格は、生活に役立つ整理収納の知識を得る2級、準1級と、プロとしての活動ができる1級までがあります。今回、お片付け苦手さんに受けてもらったのは、誰でも受講できる2級の資格です。

*ハウスキーピング協会 家事の社会的価値向上を目的として活動をしている特定非営利活動法人。家事専門人材の育成や整理収納アドバイザーの検定実施や資格認定のほか、整理収納アドバイザーの仕事づくりの場も行う。

整理収納アドバイザー2級資格取得講座で学べること

整理収納アドバイザー2級資格は、1日受講をするだけで取得できます。

講座の内容は、基本的な整理の考え方、具体的な整理の方法、実践的な収納のコツについてなど。生活に役立つ知識ばかりなので、プロになるためだけではなく、『お片付けの達人』を目指す人たちにも大変人気の講座となっています。

また受講された生徒さんの中には「お片付けブロガーを目指します」と宣言し、その後実現して活躍されているかたもいるそうです。

整理収納アドバイザー2級資格のカリキュラム

  • 整理の効果
  • 整理レベルを知る
  • モノの本質と人との関わり
  • 収納スキル5つの鉄則
  • 収納の原則
  • 理論に基づいた実例
  • 演習3回→整理について考える、作図など

理論から始まり、先生への質疑応答、ワークショップ的なこと、そして最後にこの日学んだことの試験があります。細かく時間配分されているので、リズムにのって学習できます。

講義をしてくださったのは、すはらひろこ先生

profile

すはら ひろこ
一級建築士、インテリアコーディネーター、整理収納アドバイザー1級・2級認定講師。日本女子大学住居学専攻修士課程修了。建築家のもとで修業後、1988年に独立、1991年にデザイン会社を設立。2003年TV東京のTVチャンピオン「お部屋リフォーム王」で収納女王になる。整理・収納・片付け術の専門家として、執筆、講演、商品開発、集合住宅のデザイン監修などに携わる。テレビ・ラジオの出演、新聞・雑誌・PR誌の掲載、執筆・監修書籍多数。

今回、講義をしてくださったのは、『整理収納アドバイザー』のすはらひろこ先生。

元々は建築のお仕事をされていたそうですが、インテリアから収納へとジャンルを絞り込み、今では生活に密着した「お片付け・模様替え」のエキスパートとして活躍されています。『整理収納アドバイザー』認定講座の講師を務めるほか、企業や自治体からのオファーで講演を行なうこともあり、メディア取材や連載などもお持ちです。また最近は海外からの問い合わせが増え、中国・上海などでもこの整理収納についての認定講座を実施されたりしています。

資格をとろうと思ったきっかけは?

すはら先生が「整理収納アドバイザー」の資格をとったきっかけはどのようなことだったのでしょうか?

「片付けが得意だったからではありません。実は今でも好きな方ではないんですよ(笑)」とすはら先生。
インテリア設計の仕事柄、収納に興味があり、軽い気持ちで「整理収納アドバイザー2級」を受講したのがきっかけとか。そのとき、整理収納には理論があるということに驚き、大変ショックを受けたそうです。

「それまでは、しまうことが大事だと思っていたのですが、実は整理ができていないことに気が付いたのです。もっと整理収納について知りたい!その一心で、整理収納を学びました」。

1級を取得するまでに、時間はかかりませんでした。そして、もっとこの整理収納についてたくさんの方に知って欲しいと思い、講師になるための講座も受講したのだそうです。

「講師になって、仕事の幅がぐんと広がりました。本当に日本全国のどこへでも行きますし、お宅伺ってお話をしながら仕事を進めるので、たくさんの方々との出会いがあります。その中で、人、モノ、暮らしのいろいろな発見や考え方があることも知り、大変勉強になっています」。

心に残った先生のお話から
「整理収納の極意 〜5条〜」

そんなすはら先生が教えてくださった「整理収納の極意」を少しだけご紹介します。

【1条】整理すること=不用品を捨てることではない。
 →たとえ不用品を捨てたとしても、また新しくモノを買ったら元に戻ってしまうから。まずは必要と不必要をきちんと整理してみる。

【2条】収納する際は、荷物をいったん出してから仕分け、定位置を決めること。
 →1つ1つのモノと向き合うことで整理収納がしやすくなり、モノを生かすことにつながる。

【3条】使われていないモノこそ“もったいない”
 →捨てるのが“もったいない”のではなく、奥に詰め込まれ、使われていないことのほうが ‘’もったいない‘’ 

【4条】心がつながっているモノは捨てなくてもよい
 →人間関係と同じで、心がつながっているモノには思い入れがあり、どうしても 捨てられないモノがある。

【5条】片付けるためにモノを増やしてはいけない
 →モノをむやみに増やしてはならないのは、収納するために購入する ‘’収納アイテム‘’ も同じである。

整理収納アドバイザー2級を受講して…
「受講者の声を聞いてみました」

<M・Aさん>
今まで自分は”片付けや整理が苦手なタイプ”と思っていましたが、そうではなく、単に整理の理論を知らなかっただけなのだと知りました。そして、使わないから捨てるのではなく、しっかりと自分のモノと向き合い、整理収納することの大切さを学ぶことができました。学んだことを実践し、周りの人にも教えてあげたいです!

<S・Tさん>
これまで、整理=捨てればいいという認識でしたが、モノの領域を決めることで、「必要なものは生かす」「モノの位置を決める」とを学びました。捨てたとしても、結局購入したのでは、何も変わっていないのですから、まずは、モノを出し、モノの領域を見直すことから始めてみたいと思います。

<Y・Nさん>
我が家は、購入するときに迷いがなく、モノもすぐ捨てられる片付けが得意な夫と、比較検討して購入するが、片付けやモノを捨てるのが苦手な自分と、夫婦間で片付けの意見の相違が起きていました。しかし、片付けの理論を知ることで、お互いの大事なモノを尊重しつつお片付けができるようになりました。家の中がきれいになるだけでなく、家族関係までよくなったと思います

<N.Yさん>
忙しいことを理由に片付けを後回しにしていて、現在家の中はストレスマックス状態。正しい整理法は、不用品だけを間引くのではなく「すべての荷物を一旦出してから仕分ける」という方法を聞き、視覚的にきちんと優劣を付けられるので有効だと思いました。また資格獲得後に起業したりして人生まで変わる人がいることに驚きました。

なんと受講後、「すぐお片付けを実践してみました」という方が出現!

実践者1:バッグの中身のグルーピングにチャレンジ!

財布、定期入れ、メイクアイテム、ペンなど

「受講をして早速教えていただいた理論をもとに、私もできることやってみました。私の場合、いつも外出時にあれどこいったかな?と探すのがストレスでした。
そこで、外出時にバッグに入れる基本のアイテムをひとまとめにしてボックスに入れることにしました。
似たシーンで使用するものをよく考えて小分けにして、それをそれぞれのポーチに。グルーピングからヒントを得ました。帰宅したら必ずボックスに入れるようにしたところ、バッグを変えても忘れ物がなくなり、外出前に探し物をする手間も時間も短縮され、非常に便利になりました。」

実践者2:靴箱のお片付けにチャレンジ!

「講義の中で、玄関の整理収納の実例紹介がありました。これまで、履かない靴は捨てなければならないと思っていたのですが、思い出の靴であれば捨てなくてもよいということ、そしてそれは必ずしも靴箱に置く必要はないということが分かりました。
どちらも自分を幸せな気分にしてくれる大切なモノ。クローゼットとかに飾って愛でることでモノとしてきちんと蘇らせました。また、履いていない靴を捨てられない、履いてない靴が靴箱にある、という罪悪感がなくなり、心もとても軽くなりました。」

履かないのに捨てられない2足。袋に入れて、日常でよく使っている靴と一緒に収納していました。それは「靴だから靴箱に入れておく」という単純な発想です。
履かないのに捨てられない2足。左はヒールが高く今や履くことがないクロエの靴だけど、履くほどに魅力が増していくレトロ感が気に入っていて手放せない。右は一度も履いたことがないパーティーシューズだけどビジューやリボンなどのデザインが可愛くて眺めているだけでも幸せになれる1足。

講座を終えて。まとめ

子どものときから誰に教えてもらうでもなく何となく行なってきた整理やお片付け。
「整理収納アドバイザー2級」の講座を受け、整理収納には原則や鉄則があるということや、モノも人間関係と同じで捨てられないものがあるということが分かりました。これまでお片付けが苦手と思っていた受講生は、捨てられない、片付けられないジレンマから解放され、お片付けを前向きに考えられるようになったようでした。
お片付けが苦手と思っている方は、ぜひ受講してみてはいかがでしょうか。

文/福井順子

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