トランクルーム

扉の向こうはワンダーランド!?
わたし流・トランクルームの使い方

Vol.1 フェンサー 見延和靖(みのべ かずやす)さん

自宅の収納に入りきらないものや普段使わないものを置くのに便利なトランクルーム。例え同じ大きさのトランクルームでも、中に入っているものも、目的もそれぞれに違います。そこで実際にトランクルームを利用している人たちに、その活用方法をインタビュー! トップバッターを飾るのはフェンシング エペ 日本代表の見延和靖さん。見延さんは屋外と屋内の2カ所でトランクルームを利用。いったいどんな使い分けをしているのでしょうか。

トランクルームは、競技への思いを高めてくれる大切なサードプレイス

By 見延和靖さん
フェンシング エペ 日本代表
見延和靖さん
1987年、福井県生まれ。高校入学時にフェンシングを始め、大学入学後はエペに専念。2015年のワールドカップで日本人初となる個人優勝に輝く。翌16年のリオ五輪では6位入賞。2018-19シーズンは世界ランキング1位となり、日本フェンシング界史上初の年間王者に。トップフェンサーとして東京五輪出場・金メダル獲得を目指す。

道具の収納の場に、屋外型のトランクルームを利用

日本フェンシング界初の世界王者になるなど、名実ともにトップフェンサーとして活躍する見延和靖さん。トランクルームを利用するようになったのは2年ほど前のことだそう。

「オンとオフをしっかり分けたい。そう思ったことが大きなきっかけです。
2015年に初めてワールドカップで優勝したとき、自分をもっと進化させて最強のフェンサーになるんだと決意を新たにしたんです。そのために何をすればいいのだろうと考えて。

例えば、海外の選手の中には自宅に練習場を作って四六時中トレーニングができる状態にしている人もいます。けれど、自分はあえてフェンシングから離れる時間と空間を作りたかった。剣を持ったときにスイッチが入る感覚を持ちたいと思ったからです。

そこで、思いついたのがトランクルーム。今部屋にあるフェンシングの道具を自宅とは別の場所に置くことで、プライベートではできるだけリラックスし、生活にメリハリをつけることにしました」

今回、特別に見延さんのトランクルームを覗かせてもらうことに。
まず向かったのは自宅から車で10分ほどの場所に借りたという屋外のコンテナ式トランクルーム。シャッターを開けてもらうと8畳ほどの空間が。まず目に飛び込んできたのが壁際に設けられたカウンターとハイチェア。

「フェンシングの道具が所狭し…といった光景を想像していましたか? 普通に“部屋”みたいですよね(笑) ポータブル電源を持ちこんであるので、電気も点きますし、扇風機も回せます。冬場の寒いときは電気毛布をひざに掛ければ十分に暖かい。

ちなみに、このカウンターや棚は自分でDIYしたものなんです。フェンシングの道具をここに置くなら、この場所で道具の片付けや整理等もできる! とひらめいて。剣先のポインターなどの細かい道具もあるのでどうしてもこういった台が必要になるのです。それで道具はトランクルームの奥にまとめて、手前半分は自由な空間にしました」

雑音が無い中で今すべきことに集中できる場所

コロナの影響で3月以降は試合も練習もできなくなってしまった見延さん。そのかわり、頻繁に足を運んだのがこの場所。

「テレビもないし、人も来ない。ひたすら無音の中で剣を手にして座る。それだけで心が落ち着くんです。剣を持つイメージや対戦しているイメージを頭に描き、整えていく。そうしていると、あっという間に時間が経ってしまうこともあります。家にいたら、スマホを見たり、宅配便が来たりでここまで集中できません。ノイズが入らないという点がいちばんの魅力ですね。

実は、このトランクルーム内のスペースのほとんどがコロナの自粛期間に作り上げたものなんです。カウンターも自分が使いやすい高さに調整して、壁にはモノが掛けられるようにワイヤーネットを設置。DIYの腕もしっかり磨かれました(笑)」

3カ月近くにおよぶ自粛期間中、トランクルームのありがたみを実感したという見延さん。

『この先どうなるんだろう』という不安に陥りそうなときに道具を触りながら、今すべきことに集中できる。そんな場所があって本当によかったです。

もともと、大会前や遠征前になると道具だけではなく、気持ちを整える意味でも重宝していました。実際、このトランクルームを借りた直後の2018-19シーズンはワールドカップもグランプリも優勝し、日本フェンシング界史上初の年間王者になることもできました。

しっかり結果として現れているんですよね。ただの、物置ではないという証拠です」

「見延さんのトランクルームの必需品」

必需品1

必需品2

必需品3

「ただの物置にするにはもったいないと思って持ち込んだのがポータブル電源。扇風機や電気毛布の電源もこれで取れるので夏も冬も苦になりません。電気が使えるとできることの幅が一気に広がります」

クローゼットの延長として利用している屋内型トランクルーム

自宅ではリラックスして過ごせる時間と空間に重きを置きたいと考えている見延さん。それを実現するために役に立っているのがもう一つのトランクルーム。

「こちらは冷暖房完備の屋内タイプです。今は季節ものの服や靴、父から譲り受けたスピーカーやこれまで頂いたトロフィーなど自宅のクローゼットに収まりきらないものを置いています。

入って正面の床に置いてあるのは福井の実家から送られてきた保存用のビン。『これで梅酒でも漬けなさい』と(笑)。今年は時期を逃してしまったのでひとまずビンだけこちらに収納。トランクルームは出番を待つアイテムの待機場所でもあるんですよね。

僕にとってトランクルームは自宅と練習場の往復だった毎日に現れたサードプレイス。

オンとオフをしっかり分けたことで、じっくりとフェンシングに向き合える時間と空間も持てた。このことがさらによい結果を生むと僕自身、信じています」

見延さんからのアドバイス
「DIYしながら使い勝手のよい空間を作る。そんな楽しみが味わえるのもトランクルームの魅力です」

トランクルームの奥半分は遠征のときなどに使うフェンシングバッグやスーツケースのほか、スポンサーから頂いたものを置くスペース。手前は見延さんが自らDIYしたフリースペース。モノの出し入れの際などテーブルがあるときっと便利なはず。限られた空間を有効的に使っている見延さんはトランクルーム上級者!

取材・文/堀 朋子 撮影/野地康之 

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