トランクルーム

扉の向こうはワンダーランド!?
わたし流 トランクルームの使い方

Vol.2 ジョエル・ロスティン さん(弁護士)

自宅外の物置、納戸として使うには便利なトランクルームですが、使い方は本当に人それぞれ。そこで実際にトランクルームを利用しているかたたちに、その活用方法をインタビュー! 2回目はアメリカ出身で東京の都心に暮らすジョエルさん。

トランクルームは、大切な思い出をしまう場所

By Joel Rothstein(ジョエル・ロスティン)

profile

Joel Rothstein(ジョエル・ロスティン)さん
不動産や金融を専門とする国際的な弁護士で、アジアのマーケットに興味を持つ金融機関やファンド、不動産開発業者などに助言をしています。弁護士になる前は建築家兼アーバンデザイナーをしていたという才能の持ち主。出身はアメリカ ニューヨーク。アジア在住歴は23年。1997年に初めて来日し、これまでに東京、北京、上海、香港に住んだ経験があります。

旅先の記憶が詰まった、お気に入りのコレクション

東京、上海、ニューヨークを拠点に、弁護士として活躍されているジョエルさん。プライベートでも旅好きで、滞在先で出会った素敵な品を集めるのが趣味だそう。世界各国の古書やアーティスト作品、家具などが詰まったトランクルームは、まさにワンダーランド。

「旅行や休暇の度に手に入れた記念品を取っておくので、すべてに旅の思い出が詰まっています。基本的にはアジアのコレクションが多いですね。ブータンと北朝鮮を除く、アジアのすべての国に行ったことがありますよ。そこで出会った古書や陶器、絵巻、家具など、さまざまな古いけれど魅力的なものを集めています。

私にとって旅先で購入したコレクションは、作者の想いはもちろん、旅をした土地や一緒に過ごした人々の思い出も詰まった大切なもの。鑑賞するのはもちろん、楽しかった記憶に触れることができるのも大きな魅力なんです。だから私にとってトランクルームは、家に入りきらない思い出をしまっている場所、と言えますね。」

たくさんのお宝の中から、ジョエルさんのお気に入りを見せていただきました。

ジョエルさんのコレクション

父と最初にして唯一の北京旅行で探した菩薩観音像

中国まで会いに来てくれた父と市場をまわり、この美しい観音像に出会いました。英語が全く通じない店員を相手に、父と一緒に値引き交渉をして手に入れたことを、今でもよく覚えています。ここに収納している物の中で、一番思い出深いアイテムですね。

表情に魅入られたウブドの面

お面はその国の文化や、製作者の芸術性、表現したいことなどが反映されていると思います。これは16年程前にバリ島のウブドで購入しました。彫刻から色塗りまですべて手作りなんですよ。作者は分かりませんが、とても才能がある方だと感じます。

これから部屋に飾る屏風

約24年前に東京にある小さなお店で購入。江戸時代中期に書かれたものです。屏風を飾ると部屋の印象がパッと変わりますね。所有している4枚のうちの3枚を家に飾り、月に1回ほどトランクルームから出してはローテーションしています。

韓国のお餅に使う焼き印

韓国・ソウルのフリーマーケットで購入。ボディランゲージを駆使して、お餅に焼き印をつけるための道具だと教えてもらいました。昔は日常的に使用していたそうです。デザインの良さだけでなく、機能的な一面もあるところが気に入ってます。

なんと約20年前から活用している、トランクルームの達人!

ジョエルさんは現在、アメリカと日本の両方でトランクルームを借りているそう。故郷のトランクルームには何をしまっているのか? そしてアメリカのトランクルーム事情も聞いてみました。

「アメリカのトランクルームには、数世代前の写真アルバムや書類、祖父母が1920年代(約100年前!)に結婚したときの家具セットなど、家族の記念品を収納しています。それから1600年代から1800年代までの古書を含むコレクションの大半なども入れていますね。

考えてみると、本当に多くの思い出の品をトランクルームにしまっていますね。私が家族の歴史や思い出の詰まった物を持ち続けているのは、折に触れて過去との繋がりを感じられるから。そうすることで、自分の生活がより豊かになると思うのです。

アメリカのトランクルーム事情は良くわかりませんが、私が今借りているところは、日本で使用している約6~7倍の広さがあります。以前はガレージの様な大きな倉庫も借りていましたが、日本に移り住むタイミングでひとつに集約しました。私は20年程前から使っていますし、トランクルーム事業も確かアメリカが発祥だったと思うので、割とポピュラーな印象ですね」

ジョエルさん流、トランクルームの使い方

ポイント1 室温調整ができる屋内型をチョイス

▲屋内型トランクルームの一例です。

私がコレクションしているものは、基本的に美術的・芸術的に魅力を感じる古物。いろいろな種類の工芸品がありますが、屏風のように数十年、数百年経過した紙製だったり、お面のような塗り物だったりするので、空調が完備されている屋内型をセレクトしました。

ポイント2 使用頻度で収納位置を決める

工芸品の箱には作品の作者名やサインなどが入っていたりするので、大事にとっておきたくて。でもそういった箱書されたものは、頻繁に取り出したりはしないので、トランクルームの奥に置いています。反対にローテーションで家に飾るものは取りやすい所に置いていますね。

ポイント3 コレクションは種類別に収納

仏像や巻物、屏風、能面、香炉(固体状の香料を加熱して香りを楽しむ器具のこと)、香合(香炉お香を収納する蓋つきの小さな容器のこと)、それから日本の薩摩焼や中国の染付など、いろいろコレクションしています。なのでルールとまではいきませんが、なるべく種類別に分けて収納するようにしています。

トランクルームの利用で家が広くなり、コレクションが飾りやすく。

自宅で快適に過ごすためにも、トランクルームはなくてはならないもの、というジョエルさん。長年の経験をもとにした東京でのトランクルーム選びや、最近の使い方について教えてくれました。

「東京の家は、以前住んでいた北京の家の半分の広さで、アメリカにある自宅の約3分の1。さらに長年にわたりさまざまな物を集めてきた私のようなコレクターにとって、トランクルームの存在は必要不可欠ですね。

出し入れを頻繁に行う予定だったので、家からできるだけアクセスの良いトランクルームを探そうと思い、Googleマップで検索しました。その結果、見つけたのがここ。家から徒歩2分なので、少なくとも毎週なにかしらの荷物を出し入れしています。

それからハローストレージ(エリアリンク)はトランクルームを専門的に運営していて、業界大手でブランド力もある会社というのも決め手でした。

収納しているものは、その時々によって変わります。基本的には家に置く余裕のない旅行時に集めたコレクションや、家に飾っているアート作品や工芸品が入っていたケース。
それから最近、家のリフォームと模様替えをしたので、その時に取り外したドアなども収納していています。そうすれば次の家に引っ越すとき、また取り付けられますから。

トランクルームがあるから家の中が物置状態にならず、広く使えます。おかげでコレクションを飾るスペースを存分に取ることができ、とても満足しています」。

テキスト/村田華子 撮影/野地康之 

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