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トランクルームに入れておきたい防災グッズ
防災備蓄コンサルタントに聞く「モノの備えと心の備え」〜後編〜

毎年9月1日は『防災の日』ですが、地震大国・日本に住む我々は、常に防災意識を持って生活することが望ましいです。前編に引き続き、防災備蓄コンサルタントの水口さんに登場していただき、トランクルームに備えておくと良い備蓄品をはじめ、災害発生時の季節による対応の違い、被災者の体験談などから「モノの備えと心の備え」を伺いました。

前編はこちら

お話を伺ったのは…

防災士・防災備蓄コンサルタント 水口 健さん

コンピューターのソフトウエア会社を経営しながら、あるきっかけで銀座にて飲食店を営む。2011年の東日本大震災時に帰宅困難者を目の当たりにし、自身の飲食店にて一晩中炊き出しとトイレの貸し出しを行った。そのことを契機に防災の仕事に従事することを決意。蓄電池メーカー、LED照明メーカーの勤務を経て、2014年より「防災備蓄コンサルタント」として企業の防災指導を行う。2018年には、日本で唯一の防災に関する資格である「防災士」を取得。

トランクルームを2次備蓄として利用し、”モノの備え”を補強!

おうち時間が増えた今、自宅をスッキリさせるためにトランクルームを借りる人が急増しています。最近は防災意識の高まりから、防災アイテムをトランクルームに入れている人も多いようです。防災の観点から、トランクルームに備えると良いものってありますか?

『サバイバルできるものを置いておく』と考えると良いでしょう

水口さん:自宅が倒壊したり浸水したりしても、トランクルームが無事だったらラッキーですよね。そう考えると”2次備蓄”として使えると思います! いくらあっても困らない飲料水や、長期保存できる非常食などを入れておくと良いでしょう。
ただし長期で備える前提のトランクルームの場合は、一般的なペットボトルではなく、備蓄用として作られたペットボトルの水を入れておくのがおすすめ。最近では12年保存できる備蓄水も登場しているので、入れ替える頻度も少なく便利です。以前の記事にあったように、テントや寝袋、ランタンなどキャンプ用品を入れておくのも良いですね!

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簡易トイレと、ウェットティッシュ・体ふきも備蓄を!

水口さん:使い捨てのウェットティッシュや体ふきの他、5年保存可能なウェットタオルも是非入れておいて。使用後は普通のタオルとして繰り返し使うことができます。

夏の災害、冬の災害で対処は違う?

災害は季節を問わずやってきます。寒いのも暑いのもどちらも嫌ですが…、季節ごとの備蓄品や心構えを水口さんが聞いた体験談から具体的に教えてください。 

どの季節でも落ち着いて対処できるように、まずは想像力を働かせる

水口さん:快適な文明品に囲まれた生活に慣れきっている私たちにとって、それらを排除された状況を想像するのは難しいかもしれませんね。けれど、大抵の人は短い時間の停電なら経験していると思います。さあ、停電したときのことを思い出してください。これがずっと続いたら…、ゾッとしますよね。
災害はどの季節に起こっても、一瞬にして日常を奪います。 ですから、真夏なら何が必要? 真冬なら? と、想像力を働かせて備蓄しておくことが大切です。

真夏の災害備蓄は、熱中症対策を第一に!

水口さん:ここ数年はCMでも注意喚起されているので普段から気をつけていると思いますが、災害時は特に、いちばん怖いのが熱中症。自分の身は自分で守らないと手遅れになりかねません。

以下、真夏の備蓄アイデアを覚えておくと良いでしょう。

☑️飲料水が最重要!
水口さん:どの季節でも同じですが、夏は特に多めに備蓄したい。水でもお茶でもかまいません。とにかく喉が乾く前に、定期的に摂取しましょう。

☑️塩飴などミネラルを補給できるもの
水口さん:真夏の避難は塩分不足も大変危険! 塩飴を備蓄しておくのがおすすめです。

☑️生活水&タオル
水口さん:エアコンのない中、涼を取るには水とタオルが必要。飲み水を使うともったいないので、タンクに水を入れておいたり、お風呂の水を常に張っておいたりと、生活水も備蓄を。振って冷たくなるタオルなどの便利アイテムを常備しておくと、いざという時にも役立ちます。
私がコンサルしている会社で聞いた話ですが、北海道胆振地震の大規模停電の際、ウェットティッシュや体ふきを大量消費したようで、この体験談でも分かるように、すぐに使えてサッパリできるウェットティッシュは、とても重宝するようです。

真冬は防寒アイテムの他、風邪予防の備蓄も! 

水口さん:冬の避難は防寒が第一。防寒シートや寝袋、カイロ、冬用の機能性インナー&靴下などを備えておいて。避難所に行く際には、持ち出せる限り手持ちのダウン系アウターをありったけ着て行きましょう。
そして冬は防寒と同じくらい、風邪を引かないように気をつけることが重要になります。寒い冬の避難で体調を崩すと命取りになりかねません。最近は新型コロナウイルス流行により、感染対策が日常になりましたよね。これからもマスクや消毒液は引き続き備蓄してください。

避難時の注意点とは?

最後に、水口さんが被災者から聞いた体験談で、私たちが今後に活かせるエピソードを教えてください。

避難先でまず困るのが『トイレ』。今すぐ買うべし!

水口さん:被災者みんなが口を揃えて「不快だった」、「二度とあんな思いをしたくない」と言っていたのが、被災直後のトイレ問題。難を逃れて避難所にたどり着いても、断水していたらトイレは使用できません。かといって、簡易トイレ袋の備蓄を充分にしている施設なんて無いに等しいです。そこでまずは、下水のマンホールを開けて”マンホールトイレ”を作るのですが、順番待ちの列は長く結局は開けっ放しなので臭います…。 このエピソードを聞いたら、いかに簡易トイレ袋の備蓄が重要か分かると思います。持っていない人は今すぐ買ってほしい! と、声を大にして言いたいです。

避難生活は犯罪とも隣り合わせです

水口さん:みんなが助け合うべき非常時につけこむ輩がいることは事実。災害の裏では、盗難はもちろん、性犯罪なども多発しています。災害時には、いつも以上に防犯意識を持って生活しなければなりません。悲しいことですが、事実として覚えておいてください。

前・後編に渡って、災害に対する”モノの備え”と”心の備え”について教えてもらいました。自宅、非常持ち出しバッグ、トランクルームの3段構えで備蓄しておけば、”心の備え(備蓄)”も自然についてきますね。この機会に今一度「我が家の災害備蓄」を見直してみてはいかがでしょうか?

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防災備蓄コンサルタント 水口 健さん

〜主な活動〜

  • 災害対策用品の導入企画立案から販売
  • 災害対策備蓄セミナー、講演
  • 防災イベントの運営
  • フードロス削減対策
  • 地域コミュニティへの自助活動の促進、啓発
  • シルバー世代向けコミュニュティ紙『えがお』にて、防災コラム「えがおで防活」執筆中
  • 江東区コミュニティFM『レインボータウンFM』にて、「いいね!情報局 ラジオミナテラス」内で、”防災備蓄コンサルタントみずぐちけんのまちかど防災コーナー”(毎月第1、2、3日曜 18:20〜18:40)を放送中

(有)オーハ http://www.o-ha.co.jp

撮影/kurasul編集部   取材・文/住中理美

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