暮らし

暮らしが変わる 「トランクルームマジック」 前編

トランクルームに今必要のない荷物を収納して、部屋や事務所が広くなったり、きれいになったりすると…。
思いがけずいいことが起きたりします、これこそがトランクルームマジック!
みなさんにもそんなハッピーな体験をしていただければ嬉しいです。

片付けは学ぶ時代
ライフオーガナイザーの手法を学び、それぞれにあった片付け方法をみつけよう

日本には、お片付けや収納についての資格が意外とたくさんあります。
今回はその中でも 「ライフオーガナイザー」という資格について、コロナ禍ということもあり、リモートでお話しを伺いました。「ライフオーガナイザー」とは、何が学べてどう生活に活かすことができるのか、ご紹介していきたいと思います。

ライフオーガナイザーとは

一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会(JALO)が認定している資格。
代表理事であられる髙原さんがアメリカで1980年代に誕生した思考と空間の整理のプロ 「プロフェッショナル・オーガナイザー」を日本で職業として普及することを目指し、2008年12月に協会を設立。ライフオーガナイザー資格認定事業が開始されました。

今回お話を伺ったのは・・・

ライフオーガナイザー 会田 麻実子アイダマミコさん

埼玉県越谷市生まれ。東京都足立区在住。2006 年生まれの男子の母。幼少期からの片づけベタ。大学卒業後、証券会社にて広報・宣伝業務に従事。100 以上の広告や印刷物を把握・管理する一方で、自宅では片づけられない日々を送る。その後育児休暇、自宅の引越しをきっかけに片づけベタを脱却。「ズボラ御殿」を完成させる。2012 年より、片づけ嫌いのライフオーガナイザーとして活動スタート。お客さまが「一人でできる」サポートを提供している。片づけ収納ドットコム副編集⻑。

「ライフオーガナイザー」について詳しく知る

Q:協会の目的を教えてください。

A:会田さん
日本ライフオーガナイザー協会の設立目的は、片付けのプロを育成することです。
また、ただ単にモノを減らしたり、収納グッズを使って片付けをして部屋をキレイにする方法を伝えるのではなく、片付け収納を通じて人生そのものを整える技術を広め、日本人の幸福度を向上させるために設立されました。

Q:元はアメリカから来たライフオーガナイザーということですが、どこが魅力だと思って日本に取り入れたいと思ったのでしょうか?

A:会田さん
部屋をきれいに片付けるためのメソッドではなく、暮らしや人生そのものを整えるための方法論であることです。

代表理事の髙原は、以前インテリアコーディネーターとして働いていました。インテリアや建築のプロのサポートのもと、どんなに素敵に空間を作り上げたとしても、そこに住まう人たちが「どんなふうに暮らしたいのか」「何を大切にして生きるのか」「物を所有する基準と手放す基準」について明確にしていなければ、すぐに物はあふれ、必要な物がどこにあるのか分からない状態になってしまうという経験を何度もしていたそうです。

そんな中でアメリカの「プロフェッショナル・オーガナイザー」を知り、物や空間だけではなく、時間や情報・人間関係を「オーガナイズ」するためのプロがいればいいのにと考えたと聞いています。

引用元:https://jalo.jp/

Q:色々なお片付けに関する資格などがあると思うのですが、「ライフオーガナイザー」が他の資格と違うところってどこでしょうか?

A:会田さん
一番の特徴は、「人」 を主役にした片づけ方を提唱し、暮らしや人生そのものを整えるサポートをしている点です。また、捨てるから始めずに思考の整理から取り掛かることも特徴の一つです。

思考の整理では、どんな暮らしをしたいのかというゴールを考えたり、大切にしたいことは何なのかを確認したり、「どうしてこういう状況になってしまうのか」と片付けがうまくいかない原因を考えます。大きく言えば「自分を知る」ということですね。

ライフオーガナイザーは、思考の整理から分かったことをもとに、その人に合った片付けを提案します。正解は1つだけではありません。人それぞれにあったやり方を考える、というコンセプトに共感してきて受講される方も多いです。

Q:自分に合った片付け方とは、片付け方に色々な方法があるんですか?

A:会田さん
はい、そうなんです。
例えば 「利き脳ききのう」という考え方があります。人間の行動には脳の働きが深く関わっていますよね。人により 「脳のくせ」があって、無意識に優位に働く脳があるんです。その人の「脳のくせ=利き脳」を知ることで、個々にあわせた片付け方法を探すヒントにすることが出来るんです。

Q:利き脳って初めて聞きました! 具体的にもう少し教えてください

A:会田さん
利き手や利き足があるように、脳にも利き脳があるという考え方です。インプット脳とアウトプット脳の組み合わせで、4つのタイプに分かれ、それぞれ得意なこと苦手なことの傾向が異なるんです。

利き脳は、腕と指を組んで左右どちらが下にくるかで調べます。

まず指組みで分かるのが、インプット脳。 情報を取りこんで把握するとき、片づけではモノを探すときに使います。

▲どちらが下に来るのかを見るので写真の場合左手、左脳タイプです。

引用元:https://www.kurashito.net/

次に腕組みで分かるのが、アウトプット脳。脳で整理した情報を行動で表すとき、 片付けではモノを収納場所に戻すときに使います。

▲こちらも指組みと同様、下を見るので左手、左脳タイプです。

引用元:https://www.kurashito.net/

この人にはこういう傾向があるということが分かると、どうモノを分けて空間を整えるのかを考えるヒントになります。例えば

インプット右脳・アウトプット右脳の右右脳タイプ
・直感で行動し、細かい分離や戻す作業が苦手

インプット右脳・アウトプット左脳の右左脳タイプ
・理想を目指す完璧主義者。形から入りがち

インプット左脳・アウトプット右脳の左右脳タイプ
・人と同じルールではうまくいかない個性派

・インプット左脳・アウトプット左脳の左左脳タイプ
・整理上手な一方、区切りのない大きな空間は苦手

という傾向があります。これを手がかりに「このタイプだから、こうやって片付けるのがラクそう」というふうにその人への理解を深めます。

利き脳については、ライフオーガナイザー2級認定講座で学ぶこともできますし、代表理事の髙原真由美が書いた「利き脳片づけ術」(小学館)という本もありますよ。
※「利き脳片づけ術」は、故・坂野登京都大学名誉教授の「しぐさ利き脳理論」をベースに一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会が片づけに応用しまとめた、行動やくせを知るためのライフオーガナイズの手法の一つです。

Q:日本ライフオーガナイザー協会の活動内容を教えてください

A:会田さん
おもに3つの柱があります。

―片付けのプロの育成および資格認定発行
―会員組織の運営
―起業支援、就業支援

先ほどもお話ししたように、片付けのプロを育成していくことがメインですが、会員組織の運営にも力を入れています。継続的な学びの提供や縦横のつながりを作る地域のコミュニティなど、スキルアップやモチベーションアップに役立つ会員特典を提供しています。全国を9つの地区に分けたチャプターと呼ばれるグループがあるのもその一つです。
他の業種から転職するために受講したり、主婦の方が仕事をするために資格をとることも多いので、起業支援や就業支援といったバックアップも手厚いと思います。

Q:では日本ライフオーガナイザー資格認定講座とはどんな資格でしょうか?資格について詳しく教えてください

A:会田さん
日本オーガナイザー協会が出している資格は以下の3つになります。

―ライフオーガナイザー2級資格
―ライフオーガナイザー1級資格
―10の専科資格

資格取得者の数ですが(2021年8月時点)、2級は12,011名、1級は2,869名です。
2級は、ご自身や家族との生活の中で活かすことができる講座内容で、利き脳を含め体系的にライフオーガナイズの基本を学びます。1級は、2級の知識に加え、片付けのプロとして働くために必要なこと、例えば、お客さまへのコンサルティングの仕方や図面の書き方、縮尺のとりかた、メジャーの使い方、自分の HP やブログの運用についてなどより実践的なことを学ぶことができます。
専科は、協会会員のみが受講可能な特別なプログラムで、1級を取得してプロとして活躍しはじめても、細分化された資格を用意し、日々スキルアップができるような体制を整えています。

資格を取得するとなるとちょっとハードルが高いかな?って思うかたには、ライフオーガナイザー入門編講座もおすすめ。 ライフオーガナイズや思考の整理の基本が学べる「思考の整理編」、そして人が主役の片付けの基礎がわかる「空間の整理編」の2講座があります。
全1回3時間 3.300 円(税込)で受講できるので、ちょっとお片付けに興味はあるけど資格までは・・・というかたにはライトに楽しく学んでいただけるので気軽に受講してみるといいかも!

引用元:https://jalo.jp/

Q:資格講座はどんなかたが受講されていますか?

A:会田さん
性別の比率は、男性2%、女性98% (2020年7月)。年代では 40代が最も多く、職業で一番多いのは会社員です。住関連従事者の割合が多い傾向にありますが、最近ではコロナ禍の影響もあって、異業種で会社員の方が、資格をとって副業されることもあります。

以前は「自分や家族のために学ぶうちに、気づいたら仕事にしていた」という方が多かったですが、最初から起業を目指している方も増えています。他には会社の環境整備に役立てる方もいらっしゃいますよ。

引用元:https://jalo.jp/

Q:資格取得後にはどんな活躍が出来ますか?

A:会田さん
今は、片付け整理収納サポート作業、講師(セミナー)業、執筆業が3本柱になっています。片付けのプロとして一般家庭や、企業のバックヤード、美容院などのお客さまのところに伺うことはもちろん、企業とのコラボレーションのお話もあり、住宅メーカーさんとモデルルームを作っていたりと可能性がどんどん広がっているように思います。

引用元:https://jalo.jp/

今回は、ライフオーガナイザーについて、どのような資格なのかを詳しく会田さんに伺いました。片付け方法は1通りではなく、色々な方法があることを知りました。たくさんの本などを読んで試してみたけれど失敗をしてきたかたは一度、入門講座を受講してみるのも良いかもしれません。 後編は、お話しを伺った会田さんのライフオーガナイザーになったきっかけなどについて詳しく伺いたいと思います。

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【取材先協力】

一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会
https://jalo.jp/

ライフオーガナイザー 会田麻実子
https://www.kurashito.net/

文:朝比奈 朋   写真提供:一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会

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