実家じまいとは?タイミングや手順、片付けに困った際の対処法を解説

親が高齢になったなどのタイミングで、「実家じまい」について検討しているという方もいるのではないでしょうか。
実家じまいは、単なる家の処分とは異なります。慎重に進めるべき作業と理解しつつも、人生で何度も経験することではないため、どのように進めるべきか悩む方も多いかもしれません。
この記事では、実家じまいについて解説するとともに、実家じまいのタイミングや手順、起きがちなトラブル例などを解説します。また、実家の荷物の片付けに困った際の対処法も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
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実家じまいとは
実家じまいとは、親が住んでいた家を、子または孫が整理して処分することです。
現代の日本では核家族化が進み、家族と同居しない単身世帯も増加傾向にあります。そのため、親が亡くなった際に、実家が空き家となるケースが増えています。
通常、空き家となった実家の管理責任者は相続人とされています。相続人となった場合は、家を維持するのか、処分するのかを決断しなければなりません。
家じまいとの違い
家じまいとは、自分が住んでいた家を、自分で整理して処分することです。例えば、住宅の老朽化による住み替えや、終活で家を手放すケースが当てはまります。
実家じまいと家じまいは似た言葉ではあるものの、「誰が、どのタイミングで家を処分するか」という点に違いがあります。
一般的には、子が親の住まいを処分するのが「実家じまい」、自分で自分の住まいを処分するのが「家じまい」と使い分けられています。
実家じまいのタイミング
実家じまいには、心の整理が必要となる場合もあります。感情的にも判断が難しく、タイミングの見極めが難しいでしょう。
実家じまいのタイミングに明確なルールはありませんが、主に以下3つのタイミングで行われるケースが多いようです。
- 相続が発生した
- 親が施設などに入居した
- 実家の管理が負担になりつつある
それぞれのタイミングについて、具体的に解説します。
相続が発生した
実家じまいのタイミングとして、相続が発生した場合が挙げられます。相続とは、亡くなった方の財産や義務を、残された家族が引き継ぐことです。実家も財産に含まれるため、相続の対象となります。
2024年4月に改正された不動産登記法により、相続登記の申請が義務づけられました。相続人は、相続が発生したことを知った日から3年以内に相続登記を申請しなければなりません。正当な理由なく義務に違反した場合、10万円以下の過料が科せられる可能性があります。
実家を相続した場合は、実家に住んでいないとしても固定資産税の支払い義務が生じます。また、実家を適切に管理する義務も引き継ぐことになるため、相続人には費用や労力の負担が大きくなりがちです。そのため、相続が発生したタイミングで実家じまいを検討するケースが多いようです。
親が施設などに入居した
親が健在であっても、老人ホームや介護施設などに入居した場合は、実家じまいを考えてもよいタイミングといえます。
実家に戻る予定があるのなら、すぐに手放さずに空き家として維持するのも選択肢の1つです。ただし、空き家でも維持費や固定資産税は発生し続けます。
実家に戻る予定がないのであれば、家族と話し合いながら、実家じまいを進めるとよいでしょう。親が元気なうちに「家をどうしたいか」について意思を聞いておくことで、片付けや処分といった実家じまいがスムーズに行いやすくなります。
実家の管理が負担になりつつある
実家の管理が負担になりつつある場合も、実家じまいを考えるタイミングといえます。
実家を相続したものの、維持費や税金などの負担が年々重たくなることはよくあります。管理のために遠方の実家へ通う場合は、交通費や時間も必要となり、その負担はより一層大きいものとなるでしょう。
自分の生活を維持しながら、実家の管理を続けることは容易ではありません。経済的・精神的な負担を感じているのなら、早めに実家じまいを検討することをおすすめします。
実家じまいの手順

実家じまいの手順は、実家の状態や家族の考え方など状況によって異なるものです。状況に合わせて、柔軟に対応していけば問題ありません。
実家じまいの手順に明確な決まりはありませんが、以下の手順で進めるケースが多いとされています。
- 家族で話し合う
- 相続登記をする
- 売却方法を決める
- 実家の片付けをする
ここでは、手順ごとにその詳細を解説していきますので、何を行うべきかを確認しておきましょう。
家族で話し合う
実家じまいを進めるにあたって、まずは家族で話し合うことが重要です。親が亡くなっている場合は、相続人全員で話し合いの場を設けます。親が健在の場合は、親の意思を尊重しながら、家族全員で実家じまいの方針を決めましょう。
実家じまいを円滑に進めるポイントは、家族全員で共通の認識を持つことです。認識が一致しないまま進めてしまうと、トラブルにつながる可能性があります。家族間で意見がまとまらない場合は、専門家に相談することも検討しましょう。
相続登記をする
親が亡くなった場合は、相続登記を行います。相続登記とは、親名義の不動産を相続人名義に変更する手続きです。先述したとおり、相続登記は法律で義務化されているため、忘れずに行いましょう。
相続登記には、戸籍関係の書類や固定資産評価証明書など、さまざまな書類が必要です。書類を揃えるのに時間がかかるケースもあるため、早めに準備を進めると安心です。
売却方法を決める
実家じまいで実家を手放す場合は、売却方法を決めましょう。主な売却方法は以下の2つです。
- 家ごと売却する
- 家を解体して土地のみ売却する
家ごと売却する場合、手続きは比較的簡単なものの、建物の劣化によっては買い手が見つかりにくいことがあります。一方、家を解体して土地のみ売却する場合は、解体費用がかかりますが、買い手は見つかりやすくなる傾向があります。どちらの売却方法にも、メリットとデメリットがあるため、慎重に判断しましょう。
売却価格は、不動産会社によって違いがあります。複数の不動産会社に査定を依頼し、比較検討することも大切です。
実家の片付けをする
荷物の片付けは、実家じまいでもっとも手間がかかる作業です。親世代は物を大切にする傾向があり、荷物の量が多いと予想以上に時間がかかることもあります。親が健在の場合は、親の意思を尊重し、気持ちに寄り添いながら片付けを進めるのが良いでしょう。
親が亡くなった後に実家を片付ける場合は、体力的にも精神的にも苦しい作業となることが予想されます。片付けは、無理に急ぐ必要はありません。残しておきたい荷物がある場合や、時間をかけて丁寧に荷物を整理したいという場合は、トランクルームの利用を検討しましょう。
実家じまいにおけるトランクルームの利用については、後ほど詳しくご紹介します。
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実家じまいに起きがちなトラブル例
実家じまいはスムーズに進めていきたいものですが、トラブルが起こるケースもいくつかあります。ここでは、よくあるトラブル例として以下の3つをご紹介します。
- 売却が困難
- 権利証が見つからない
- 相続税が払えない
トラブル例を事前に知っておくと対策が立てやすく、実家じまいをスムーズに進められます。1つずつ見ていきましょう。
売却が困難
実家じまいで売却を検討していても、実家が老朽化していたり、立地条件が悪かったりなどの理由で、買い手がつかないケースがあります。売却できたとしても希望価格で売れるとは限らず、収益がマイナスになることもあります。
売却が困難な場合は、賃貸に出すことも選択肢の1つですので、不動産業者への相談も検討してみましょう。
権利証が見つからない
実家を売却する際に、権利証が見つからないトラブルも発生しがちです。権利証とは、不動産の所有者であることを証明する書類です。家の売却時に必須の書類であり、再発行はできません。
権利証が見つからない場合でも、不動産を売却する方法はあります。例えば、司法書士に「本人確認情報」の作成を依頼する方法です。ただし、手続きが複雑になり、5〜10万円程度の費用が発生する点に注意が必要です。
相続税が払えない

相続した財産の多くが不動産の場合、相続税が払えないトラブルも発生しがちです。
相続税は、相続発生を知った日の翌日から10カ月以内に納付しなければなりません。原則として、相続税は現金での一括納付が求められます。
実家を売却した収益を、相続税の支払いに充てることも可能です。しかし、この場合は納付期限までに売却し、現金化する必要があります。
このように、相続税の支払いには時間の猶予が少ないため、支払い期限から逆算し、早めに準備を進めましょう。
実家じまいで荷物の片付けに困った際の対処法
不動産相続をしたことのある、または今後相続する可能性がある方(500名)を対象に行った調査では、不動産相続後や相続不動産の活用時の悩みとして「荷物の整理」と回答した方の割合が44%となっており、もっとも高い結果となっています。

引用:プレスリリース「不動産の相続に関する実態と荷物の収納に関する調査を実施 相続不動産を活用する際の悩み第1位は「荷物の整理」」
※ハローストレージ調べ
このように、実家じまいで荷物の整理に悩む方は少なくはありません。実家じまいで荷物の片付けに困った際には、以下の対処法を検討してみましょう。
- 専門業者に依頼する
- トランクルームを利用する
それぞれの対処法について、詳しく解説します。
専門業者に依頼する
実家じまいで荷物の片付けに困った場合は、専門業者への依頼を検討しましょう。片付け業者や遺品整理業者などを利用すれば、家族だけでは困難だった荷物の片付けをスムーズに進められます。買い取りを行う業者もあり、荷物の処分をすると同時に収益を得られる可能性もあるでしょう。
費用や作業内容は、業者によって異なります。事前に見積もりを取り、信頼ができる業者に依頼するようにしましょう。
トランクルームを利用する

先述したように、実家の片付けにはトランクルームの利用も役立ちます。トランクルームとは、自宅の収納スペースの延長として利用できるサービスです。
第2の収納スペースや、一時的な荷物の置き場所として活用できます。一部物件を除き24時間365日利用できるため、好きなタイミングで荷物の出し入れが可能です。
トランクルームを実家じまいの荷物の一時置き場として活用すれば、荷物を焦って整理する必要がなくなります。時間的な余裕をもって整理を進めると、気持ちにもゆとりが生まれます。処分すべきかどうか、じっくり考える時間を持つことで、納得のいく実家じまいができるでしょう。
また、親が施設に入ったり、長期入院となったりしたことをきっかけに実家じまいを進める場合、親が物を処分することをためらうことがあります。そのような場合でも、処分したくない荷物を一時的にトランクルームに収納しておくことで、親に納得してもらえるかもしれません。
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関連記事:トランクルームとは?使い方や選び方、メリットを徹底解説
【トランクルーム利用例】

実家じまいの荷物の収納は、トランクルームも検討しよう
ここまで、実家じまいについて詳しく解説しました。事前にタイミングや手順を把握しておくと、スムーズな実家じまいが行えます。実家じまいを進めるためには、荷物の整理や実家の売却、相続税の支払いなど、さまざまな手続きが必要です。個人での対応が難しい場合は、専門家の助けを借りると良いでしょう。
実家じまいは、家族の状況によって異なりますが、どのようなケースでも焦らずに進めることが大切です。
実家じまいで荷物の置き場に困っている方や、時間をかけてじっくり整理したい方は、トランクルームを利用することも検討してみてください。
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小川 真澄
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2022年 整理収納アドバイザー1級 取得
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災害大国の日本でお家の整理収納は非常時にも役立つという思いもあり、本格的に防災について学ぼうと防災士を取得。
大切な物を捨てずとも、整理収納 × 防災 × トランクルームで、より暮らしやすい生活を提案するために日々奮闘しています。