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トランクルームに入れておきたい防災グッズ
防災備蓄コンサルタントに聞く「モノの備えと心の備え」〜前編〜

我々が暮らす日本列島の周りは4つのプレートがぶつかり合い、世界的にも地震が多い地域です。阪神淡路大震災から26年、東日本大震災から10年、熊本地震から5年が経ちましたが、いつ何時大きな揺れが起きても不思議ではありません。また豪雨、台風、豪雪など自然災害も毎年起きています。さらには、近く火山の噴火が起こりえるというデータも…。こういった災害から命を守るための防災グッズ&備蓄とは? 自宅になにをどのくらい? トランクルームも使える? 普段の心がけは? など、防災備蓄を専門とするコンサルタントに伺いました。

お話を伺ったのは…

防災士・防災備蓄コンサルタント 水口 健さん

コンピューターのソフトウエア会社を経営しながら、あるきっかけで銀座にて飲食店を営む。2011年の東日本大震災時に帰宅困難者を目の当たりにし、自身の飲食店にて一晩中炊き出しとトイレの貸し出しを行った。そのことを契機に防災の仕事に従事することを決意。蓄電池メーカー、LED照明メーカーの勤務を経て、2014年より「防災備蓄コンサルタント」として企業の防災指導を行う。2018年には、日本で唯一の防災に関する資格である「防災士」を取得。

地震大国日本に生きているという、”心の備え”を持とう

予告なく起こる大きな揺れ…! 「いつもの揺れ方と違う?」「意外に大きいかも」と、発生から数秒は頭が真っ白になりがちです。もしも今日、この場所で地震が起こった場合、まずは何をすれば良いのでしょうか?

地震発生時は、まず”自助”を最優先!

水口さん:揺れを感じたら、まずはその場所でいちばん安全なところへ移りましょう。
例えばキッチンに居たのであれば、震度5程度以上の地震ではガスメーターが自動的にガスを遮断しますが、念の為まず火を消し、ガラス窓や倒れそうな家具からすぐ離れるなど、間違っても調理中のキッチンに留まったり家具を押さえたりしてはダメです! まずは自分自身がケガをしないことが最重要。ケガをしてしまっては人を助けることもできないし、避難が遅れることになるからです。
1に自助(自分を守る)、2に共助(近くにいる人と共に助け合う)、3に公助(自治体や国からの助け)と覚えてください。

いつどこで地震に合うかは誰にも分からない!

水口さん:阪神淡路大震災は冬の明け方、東日本大震災はまだ寒い初春の日中、熊本地震は春の夜中、北海道胆振地震は夏の未明etc.地震は我々の生活ペースに関係なく起こります。そのとき自宅にいるとは限りません。会社かもしれないし車や電車の中、外を歩いている、寝ているかもしれないし料理中かも仕事中かもしれない。
被災した場所が自宅以外であっても、”自助”を最優先した行動を取ることは変わりません。すぐに家族と連絡が取れれば安心ですが、そうでない場合は”共助”で周りの人と情報を共有し合い、その場に留まるか帰宅するかの判断をしましょう。

常に”心の備え”を意識しましょう

水口さん:地震の際に取り乱さないためには、”心の備え”が大事です。
地震によって起こる、混乱・ライフラインの断絶・情報不足・モノ不足を想定して、普段から”防災意識を持つ”ところから始めましょう。具体的には防災アイテムを用意する、生活必需品を備蓄する、自宅からいちばん近い避難場所を認識しておくなどです。

地震発生! 避難所に行く・行かないの判断基準は?

確かに我々日本人は地震が多いことを意識しながら生きています。とはいえ、ライフラインが断絶するほどの大地震に遭遇してしまったら、パニックになって正しい判断ができるか自信がありません…。避難所に行く? 自宅に留まるべき? その判断基準はあるのでしょうか。

基本は自宅に留まる在宅避難を優先

水口さん:自身の安全が確認でき、家も無事な場合は自宅に留まることを優先してください。このコロナ禍において、やみくもに避難所に行っても収容人員には限りがあるし、物資も不足している場合が多い。そう考えると在宅避難の方が数倍快適です。

避難所に行くのは、本当に行く場所がないときだけ

水口さん:ただし自治体からの避難指示が出た場合や、家屋倒壊(倒壊の危険)が起こりうる場合には躊躇なく避難所へ行きましょう。しかし避難所へ行っても、すぐには何もありません。防災倉庫も鍵がなければ誰も開けられませんし、トイレも水が出なければ流れません。在宅避難でも避難所へ行く場合でも、インフラが停止したらキャンプと同じです。
このような事態を想定して、防災備蓄グッズを揃えておくことが重要になってきます。

災害時は、その中心になるほど情報が届きにくい

水口さん:突然停電したり、周りがパニック状態になったり、電話回線がパンクしたりするので、被災中心地ほど正確な情報が届かない時間が長く続きます。ですから、外からの情報が取れる機器を備えておくことが必須。「スマホがあるから大丈夫」ではないです。停電したらWi-fiも途切れるんですよ! 情報難民になってしまった場合は、避難所に行って情報収集しましょう。

在宅避難に備えて、自宅に用意しておくべき備蓄品は?

「在宅避難でも避難所へ行っても、インフラが止まってしまったらキャンプと同じ」と考えると、とてもわかりやすく想像がつきます。では具体的に、何をどのくらい備えておくと安心なのでしょうか?

昔からいう『備えあれば憂い無し』を念頭に備蓄する!

水口さん:先ほども言ったように、公助が来るのは最後です。災害直後を乗り切ったとしても、しばらくは誰も助けてくれないし物も届きません。過去の震災やコロナ感染発生時に経験しているように、”買い占め”が起こることも必至。
ですから、「避難はサバイバル!」くらいの心構えで、最低でも3日間、できれば7日間生き抜けるアイテムを備蓄しておくと安心です。今この瞬間に災害に遭遇しても慌てない、”モノの備え”をしておきましょう。 使わなければそれで良し、もったいないと思わないで!

防災士・防災備蓄コンサルタント 水口 健さんがオススメする

自宅備蓄のマストアイテムをチェック!


☑️生きるために必要な飲料水(1日3リットル×家族の人数×最低3日分)

水口さん:ウォーターサーバーの水を余分に常備したり、ペットボトルを箱買いして、使ったら補充したりと工夫すれば、そんなに難しいことではありません。2リットルのペットボトル6本で約1週間分の水になります。

☑️ラジオ(ワイドFM対応)+電池

水口さん:被災当事者になると、本当に情報が来なくてパニックになります。停電したらテレビもWi-fiも途切れるので、圧倒的に頼りになるのはラジオ。スマホで情報を、と思いますがスマホはあくまで連絡を取り合うツールとしてバッテリーを確保するのがオススメです。最近では地域のコミュニティFMも増えていて、地域の被災情報、食料や生活用品の供給情報や、開設されている避難所、美容院、風呂などの地域ごとの細やかな情報を放送しているので、自分の地域にないかチェックしておくと、いざという時とても心強いですよ。

☑️懐中電灯やランタンなど灯り+電池

水口さん:危険回避のためにも不安解消のためにも必須!

☑️スマホ用モバイルバッテリー

水口さん:最低でも1回以上フル充電できる状態で備蓄しておく。ただし長い期間放置していると徐々に放電してしまうので、たまに使いながら充電し直しておきましょう。

☑️すぐに食べられる軽食類

水口さん:消費期限が長く、調理しないで食べられる災害食が3日分あるといちばん良いです。大規模災害時に備えては1週間分の備蓄が望ましいとされていますので、コンビニで買えるような缶詰やお菓子も多めに置いておくと安心です。普段から、買い置き→消費→買い足しのサイクルを実施しておきましょう。

☑️簡易型トイレ袋(1日7回×家族の人数×最低3日分)

水口さん:生理現象は我慢できませんから必携です! 避難所へ行く際はもちろん、在宅避難でも、トイレ袋があるとないとでは大違いです。トイレを我慢するため水分を減らすことで脱水症状になったり、エコノミークラス症候群になるなど、トイレに行けないことで体調を崩すことになりかねません。そして避難が長引けば臭いも厳しくなりますから、使用済みのトイレ袋を入れる消臭袋もあると良いです。

☑️トイレットペーパー、ティッシュペーパー

水口さん:昨年のコロナショックで備蓄しているお宅も多いと思いますが、1週間買い物に行けなくても大丈夫なくらいは備えておきましょう。

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停電時はカセットコンロとガスボンベがあれば意外と無敵!

水口さん:停電となると時間の経過とともに冷蔵庫の中のものが全て痛み始めます。在宅避難を選択するのであれば、まずは冷凍・冷蔵食品から消費していくのが正解です。
ここで大活躍するのがカセットコンロ。例えば初日は冷蔵庫の食材を使った鍋にして、次の日はカップ麺やレトルト食品を食べるなど。お湯も沸かせるので温かい飲み物を飲んだり、体を拭いたりもできますよね。ですから、防災グッズとしてガスボンベを多めにストックしておくことをおすすめします。
一人暮らしなどでカセットコンロを持っていない場合やオール電化のお宅では必需品です。ぜひ購入を検討してみてください。

避難所に行く場合の持ち出しアイテムを教えてください!

倒壊の恐れがあったり近隣で火事が起きた場合など、すぐに自宅を離れた方が良い場合もありえますよね。そんなときに慌てないように、用意しておくべきものも教えてください。

持ち出しバッグは、すぐに持ち出せるよう家族全員分用意しましょう

水口さん:最近は防災意識が高まっているので用意している人も多いと思います。専門店などで売っている防災バッグをそのまま使っても全然構いません。水や簡易トイレ袋などの消耗品を入れて5〜6kg程度に収めれば、大災害時の混乱の中でも比較的スムーズに移動できます。

水口さん:私の場合は職業柄もあり、登山用リュックを非常持ち出し用にしています。肩紐のクッションが厚く、腰でも固定できるので長時間歩くことができます。グッズを多めに入れ、重量も10kg程度にしています。例えば父親や大きな息子さん用には頑丈なリュックを用意して、荷物を余分に詰めておいても良いでしょう。

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持ち出しバッグのマストアイテムをチェック!


在宅避難の備蓄アイテムにプラスして、救急用品や防寒用品も準備

水口さん:吹きっさらしのキャンプ場に行くイメージで、最低でも1泊する準備をしてください。水や食事はもちろん、情報を取れるラジオ、灯り類、電池とバッテリーは必携。いざというときに備えて、1年に1度くらいは中身をチェックしてください。水、食品、電池類は特に注意。定期的に入れ替えましょう。

▲水口さん私物の持ち出しバッグの中身を見せてもらいました!

☑️飲料水(500ミリリットルのペットボトル1〜2本)

☑️すぐに食べられる軽食(調理なしで口に入れられるもの)

☑️ラジオ+電池 

☑️モバイルバッテリー(フル充電済み) 

☑️灯り+電池 

☑️簡易トイレ(7回分程度は入れてください)

☑️貴重品

水口さん:バッグに現金と健康保険証や免許証のコピーも入れておくと安心。スマホの他、持ち出し可能であれば印鑑や預金通帳も携帯しましょう。

☑️ヘルメット

水口さん:近年は鉄筋コンクリートの建物が多く、またガラス張りのビルも急増していますので、頭巾よりヘルメットの方が良いでしょう。折りたためるものが市販されていますので、それほどかさばりません。

水口さん:ヘルメットに装着できるヘッドライトも入れておくとさらにベター。これは液漏れ防止機能がついているので、電池を入れっぱなしにして長期間保存できるんです。ロックを外せばすぐに明かりがつくので、災害時の初動の手間が省けます。

☑️手袋(手にフィットする革製のもの)

水口さん:人間は危険を感じると咄嗟に手が出ます。手を怪我してしまうとその後の避難生活に多大な支障が出るので、逃げるときから手袋をした方が良いでしょう。それも軍手ではなく革の手袋が手を保護してくれます。ガレキの撤去や避難所での荷物の持ち運びなどにも使います。

☑️ホイッスル

水口さん:周りに助けを求めたいとき、自分の居場所を伝えたいときなどに使います。すぐ手に取れるようにバッグから下げておくと良いです。

☑️救急用品(絆創膏など、すぐに傷をふさげるもの)

水口さん:注意していても怪我はします。救急用品のかわりになるラップやアルミホイル、菜箸を入れておきましょう。ラップやアルミホイルは包帯代わり、菜箸は骨折した時などの添え木代わりになります。アルミホイルはその他、抗菌性があるので炊き出しの食材管理にも使えます。

☑️マスク

水口さん:粉塵を防ぐことができるので、コロナ禍に関係なく必須です。マスクは使い捨ての不織布マスクを複数枚揃えるのがベスト。ウレタンマスクは耳掛けが切れやすく、断水時には洗うこともできません。

▲不織布マスクにも消費期限があること、知っていましたか? 水口さんは、長期間保存できるマスクを、普段使いとは別に非常持ち出しバッグに入れているんだとか。

☑️給水袋

水口さん:避難所に給水車が来てくれますが、水を入れる容器は自分で用意しなければなりませんので給水袋は必携。大人1人で持てる5リットル程度で自立し、コックが付いたものを入れておきましょう。

☑️消臭袋

水口さん:避難所に仮設トイレが設置されるのは震災から数日経ってからです。また断水時や下水破損がある場合はトイレは流せません。ですから、使用済みのトイレ袋を数日分入れられる、強力な消臭袋も用意しておくと◎。

☑️ウェットティッシュ、体ふき

水口さん:避難所ではお風呂に入れませんので使い捨ての物が大活躍します。不快感を抑えるため、清潔に保つために多めに入れておいてください。歯磨きシートや水のいらないシャンプーなども活躍します。

☑️スリッパ

水口さん:コレがあるとないとでは大違いです! 避難所にスリッパはありません。靴下だけでは足元が冷えるし、床は日が経つにつれてどんどん汚れてザラザラになっていきます。なるべくクッションが厚いものを入れておきましょう。

☑️防寒シート、簡易寝袋など

水口さん:寒い時期に起きた東日本大震災で話題になりましたよね。バッグの隅に入るコンパクトなものがたくさん販売されています。

☑️筆記用具

水口さん:避難所はアナログ世界です。掲示板に貼ることも考え、水を弾く紙の付箋やメモ帳&油性ペンをセレクト。

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体質や家族構成によって必要なものを加えていきます

水口さん:私は目が悪いから眼鏡は絶対必要。そのように、アレルギーを持っている、持病がある、高齢者がいる、乳幼児がいる、妊娠中などなど、それぞれの方の状況に応じて必需品をプラスしましょう。

いかがでしたか? 今回は災害に対する”モノの備え”と”心の備え”について教えてもらいました。自宅備蓄の必需品と非常持ち出しバッグの必需品をリストにまとめたので、是非チェックしてみてください。次回はトランクルームの備蓄アイデアを中心に、夏の災害&冬の災害でプラスすべき備蓄品、避難時の注意点などをお届けします。

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防災備蓄コンサルタント 水口 健さん

〜主な活動〜

  • 災害対策用品の導入企画立案から販売
  • 災害対策備蓄セミナー、講演
  • 防災イベントの運営
  • フードロス削減対策
  • 地域コミュニティへの自助活動の促進、啓発
  • シルバー世代向けコミュニュティ紙『えがお』にて、防災コラム「えがおで防活」執筆中
  • 江東区コミュニティFM『レインボータウンFM』にて、「いいね!情報局 ラジオミナテラス」内で、”防災備蓄コンサルタントみずぐちけんのまちかど防災コーナー”(毎月第1、2、3日曜 18:20〜18:40)を放送中

(有)オーハ http://www.o-ha.co.jp

撮影/Kurasul編集部   取材・文/住中理美

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