ハウツー

ストレージに入れておきたい防災グッズ

vol.1 防災多機能ラジオ
覚えておきましょう!
災害時に頼りになるのはスマホよりラジオ

いつ起きてもおかしくない、地震や風水害などの自然災害。いざというときの備えは万全でしょうか。クラスル編集部では、最低限備えておきたい防災グッズを数回にわたって検証していきます。
アイテムごとに選ぶポイントを考え、機能やコスパを見比べてベストな商品をセレクトしていきます。
すでに持っている人も、近くのトランクルーム にもう1セット防災グッズを備えておけば、自宅が被災した場合でも安心です! 

第1回目は、災害時の必需品ナンバーワン 「防災多機能ラジオ」です。

災害時は、何はともあれ情報が命!

スマホがあるから大丈夫と思っている人も多いと思いますが、避難所にWi-Fiがなかったり、電池がなくなったり、アクセスが集中してつながらないといった心配がつきまといます。さらに、近くに携帯基地局がないと電波が届かず、使えない可能性だってあるのです。

その点、ラジオは携帯よりも広範囲にまで電波が届きます。また消費電力も少なく、電源の心配も携帯ほどいりません。災害時に、確実に正確な情報をキャッチするためには、やはりラジオがあると安心なのです。

ラジオにはFMとAMがありますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。大きな災害のときには、どちらも受信できたほうが安心です。AM放送の弱点である音質をカバーするためには、FMの周波数を使って補完的にAMが聴けるワイドFMの機能が付いているものを選ぶとよいでしょう。

<AM放送の特徴>
・山やビルなどの障害物の影響を受けにくい。遠くまで電波が届く代わりに、他の電波や電化製品などの電気雑音に弱く、音質が悪い。建物内では聞こえにくく、窓からも電波が入りにくい。

<FM放送の特徴>
・山やビルなど障害物に遮られやすいので狭いエリアで放送されている。LED照明を除く電気雑音に比較的強く、クリアな音で聞くことができる。電波が入りにくいビルなどでも、窓辺なら受信しやすい。

手回し充電機能など、電源の種類をチェック!

次に大事なのは電源です。
内蔵充電池や乾電池が使えるほか、この2つの電源が使えなくなったときにも使える手回し充電機能が付いている機種がおすすめです。

手回し充電は、1秒間に2回以上の速さで回す必要がありますので、回しやすいかどうかも選ぶときに確認しておきたいものです。また、1分間の手回しで、どのくらい充電されるのかも要チェック。

内蔵充電池と乾電池の両方が使える場合は、乾電池の消耗を抑える切替スイッチがあるかどうかも確認しましょう。ほかには、太陽光、USB、ACアダプターなどの電源を装備している機種もあります。

携帯・スマホへの充電機能も今や必須です

災害時、家族との連絡や情報収集ツールとして、携帯やスマホは欠かせません。
しかし、携帯やスマホは電源確保が難しくなるため、手回し充電機能のように自力で発電できるものがあると安心です。

最近の防災ラジオには携帯やスマホへの充電ができる機種も多く、充電コードやコネクターが付属されている機種もあります。USBケーブルや携帯への変換コネクターがあればほとんどの機種が充電できます。購入時に確認し、必要なケーブル類は予め用意しておきましょう。

付属で欲しいLEDライト、非常用ブザーなどの機能

そのほか役立つ機能は、LEDライトと非常用ブザーです。
ライトはLED電球になったことにより、少ない電力で長時間の点灯が実現したため、ほとんどの機種で、懐中電灯として使えるLEDライトが搭載されています。中には、ランタン代わりに使えるソフトライト付きの機種もあり、光量が小さくてもよいシーンでは活躍してくれそうです。

非常用ブザーは、救助が必要なときに鳴らすためのものです。大きな音を発するので、スイッチの位置など誤作動がないような工夫がされているものがよいです。

懐中電灯として使うLEDライトは明るさや持ちやすさも大事。

最後に操作性、デザイン性、重さ、価格などをチェック

災害時にバッグに入れて持ち歩くことを考えると、やはりコンパクトで軽量なほうがベター
操作性については、災害時は通常の思考力・判断力がなくなることもありますので、説明書などを見なくても直感的に使えるものがおすすめです。

基本的には、多機能であれこれスイッチがあるよりも、必要最小限の機能があればOK。 多少無骨でも使いやすいのが一番です。また、本当に必要なときに壊れて動かない!なんてことがないように、信頼のおけるブランドの中からコスパの良いものを選ぶのがよいでしょう。

候補に上がった4つの商品を実際に使ってみました

上記のことを踏まえつつ、4つの商品を候補にあげました。クラスル編集部でそれぞれの防災多機能ラジオの特徴や使ってみた感想をまとめてみました。

01 ソニー ICF-B09 D 8,250円+税 手回し充電ラジオ

避難所での常夜灯としても使えるソフトライト付き

基本的な機能にソフトライトを搭載した手回し充電ラジオです。

(ラジオ)
AM放送をFM放送の周波数で聞くことのできるワイドFM対応なので、音質はクリアで聞きやすく、災害時には心強いです。ビルやマンションなどでも情報収集できます。選曲はアナログで昔ながらのダイヤル形式なので老人にも扱いやすいと思いました。
1分間の手回し充電で、3時間もラジオを聞くことができます。

(電源)
アルカリ単3形乾電池2本もしくは内蔵の充電池の2種類となります。
単3形は手に入りやすく、利用度も高いため、家にストックしていることが多いので安心です。電源切り替えスイッチもあります。

(充電)
充電は手回しのみです。本体の重さ・形のせいか、ハンドルの角度のせいか、手回し充電のときにときどきカクッとなり、回しにくさが気になりました。

(スマホ・携帯充電)
スマートフォン用のマイクロUSBケーブルと携帯電話様の充電プラグアダブターを付属しています。
汎用性が高いUSB端子が付いているので、iPhoneもUSBケーブルがあれば充電ができます。
1分間の手回し充電で、スマートフォンなら約40分待ち受け、約1分通話ができます。

(その他の機能)
懐中電灯として使えるLEDスポットライトと常夜灯として使えるLEDソフトライトの2種類があります。 実際に暗い部屋で付けてみると……  こんな感じの明るさです。そばでも小さな文字は読みにくいですが、真っ暗闇ならこの光もありがたいはず。

非常用ブザーがない代わりに、非常用の笛がついています。
ふだんはあまり選ばないカラーですが、防災用にはよく目立つオレンジはよいと思いました。

02 ソニー ICF-B99 ソーラー&手回し充電ラジオ 9,250円+税 手回し充電ラジオ

多機能で頼りになる一品。男性受けナンバー1

01の手回し充電ラジオにソーラー機能をプラスした高機能商品です。

(ラジオ)
01の手回し充電ラジオと同性能で、ワイドFMなので音質はクリアです。

(電源)
アルカリ単3形乾電池2本、内蔵の充電池、さらにこちらは別売のUSB ACアダプターが使えます。
ACアダプターは、もしかすると災害時には使えないかもしれませんが、普段の電源としては最強なので、できればあって欲しい付属品です。

(充電)
手回し充電のほか、本機の最大の売りは太陽光による充電機能です。
01の手回し充電ラジオのソフトライトの部分がソーラーパネルとなっています。

太陽光充電は、この機種に限らず、晴天の日にしっかりとソーラーパネルに当てないと充電ができず、しかも充電量はソーラー1時間で手回し1分ほどの充電にもなりません。

一方、注目すべきは別売のUSB ACアダプターのほうです。内蔵充電器を3時間でフル充電にできます。手回しだけでフル充電するのは大変ですので、これがあると本当に助かります。

(スマホ・携帯充電)
01の手回し充電ラジオと同様、付属のケーブルなどを使ってスマートフォンと携帯電話の充電ができるほか、手持ちのUSBケーブルがあればiPhoneの充電もできます。
1分間の手回し充電で、スマートフォンなら約40分待ち受け、約1分通話ができます。

こちらの機種は太陽光充電もできるのですが、残念ながら、太陽光充電ではスマホへの充電はできません。そうなると、太陽光充電は必ずしも欲しい機能ではないかもしれません。

(その他機能)
01の手回し充電ラジオについているLEDソフトライトはなく、LEDスポットライトのみ搭載しています。
こちらの機種も、非常用ブザーがない代わりに、非常用の笛がついています。

03 SEIKO CLOCK SQ 764W 8,500円+税 電波機能付き多機能防災クロック

枕元に置いて、日常の防災クロックに最適

電波時計にラジオやライト、携帯への充電など、防災機能をプラスしたものです。

(ラジオ)
こちらのラジオは、ワイドFM対応ではないため、やや電波が弱く、ノイズを感じました。やはり、時計がメインの商品といえそうです。
手回し2分の充電で、約15分間(約7分半)ラジオを聞くことができます。
*( )内は1分換算。

(電源)
アルカリ単3形乾電池3本と内蔵充電池の2種類です。
通常は乾電池、非常時は内蔵充電池を使用することを想定しているようです。 また、別売ですがACアダプターを使うこともできます。日常的に枕元に置いて使うなら、ACアダプターがあると大変便利です。

(充電)
本体も、充電するための手回しハンドルもしっかりしているうえ、ハンドルがほどよい長さなので力を入れて回すことができ、疲れにくいように感じます。

この機種の最大のメリットは、別売のAC アダプターが使えるのと、USBで充電できるところです。
ACアダプターなら約5時間、USB経由だと約4時間で内蔵充電池にフル充電できます。

また、充電残量表示が付いているため、どのくらい内蔵電池が残っているか、どのくらい充電できたかが液晶画面で確認できるところも良い点です。

(スマホ・携帯充電)
注意したいのは、充電できる携帯やスマートフォンの機種が限られていること。発売が2012年と古いので、購入前に自分の機種に充電できるかどうかを絶対確認しておきたいです。
ちなみに、iPhoneは、変換コネクタがないと充電ができません。
また、スマホ・携帯への充電は内蔵充電池からのみで、乾電池からの充電はNGなのも痛いところです。
手回し2分での充電時間は、待ち受け約30分(15分)、通話約2分(1分)です。
*( )内は1分換算。

(その他の機能)
懐中電灯代わりになるLEDライトと、非常用ブザーを搭載。
持ちやすい持ち手付きで持ち運びが便利です。

時計がメインの機種なので余計なスイッチがあり、災害時に突然使うと迷ってしまうかもしれません。
必要な機能はほぼ揃っていますが、少々機能は低めです。
日々、枕元に置いて防災&目覚まし時計として使うには大変良いと思いました。

04 パナソニック RF-TJ20-D 5,980円+税  FM-AM 2バンドレシーバー

コンパクト&軽さで、女性も子どもも回しやすい

コロンとしたかわいいフォルムで、手のひらサイズながらも、必要最低限の機能を備えています。

(ラジオ)
電源、音量、FM・AM切替、ラジオの自動選局は、使いやすいボタン式です。
こちらの機種も、ワイドFMに対応しているので、AM放送をFMの周波数でクリアに聞くことができます。
1分間の手回し充電で、約14分間ラジオが聞けます。

(電源)
アルカリ単4形乾電池3本もしくは内蔵充電池の2種類です。
乾電池が小さく軽量なのもうれしいところ。
電源切替スイッチ付きで、電池の消耗を防いでくれます。

(充電)
充電は手回しのみです。コンパクトかつ軽量なので女性や子どもの手でも持ちやすく、手回ししやすいので苦になりません。

(スマホ・携帯充電)
付属のケーブルなどは一切なく、手持ちの機種に合わせて、充電ケーブルを用意する必要があります。
携帯充電端子はUSBコネクターなので、PCに接続できるケーブルで使用できます。
1分間の手回し充電で、待ち受け約1時間50分、通話約2分、スマホ・携帯電話に充電できます。

(その他の機能)
サイレン(非常用ブザー)もあり。
ホールドスイッチで、使わないときの誤操作を防いでくれます。
また1分間の手回し充電で、LED ライトが3時間も点灯、サイレンが約20分使えるのは嬉しいです。
何といっても5000円台とコスパがよいのが最大の魅力です。

<4機種スペック 比較表>

ソニー ICF-B09
手回し充電ラジオ
ソニー ICF-B99
ソーラー&手回し充電ラジオ
SEIKO SQ764W
多機能防災クロック
パナソニック RF-RJ20-D
FM-AM 2バンドレシーバー
大きさ(mm)重さ (g)約132×77×58
約329(乾電池別)
約132×79×58
約338(乾電池別)
157×171×64
460(乾電池別)
144.5×55.6×59.0
約254(乾電池別)
電源内蔵充電池
アルカリ単3形リ乾電池2本
内蔵充電池
アルカリ単3形乾電池2本
ACアダプター(別売)
内蔵充電池
アルカリ単3形乾電池3本
ACアダプター(別売)
内蔵充電池
アルカリ単4形乾電池3本
内蔵充電池への充電手回し手回し
USB ACアダプター(別売)
太陽光
手回し
USB
ACアダプター(別売)
手回し
ラジオ機能FM/AM (ダイヤル式)
ワイドFM
FM/AM(ダイヤル式)
ワイドFM
FM/AM(自動選局)FM/AM(自動選局)
ワイドFM
ライトLEDライト
LEDソフトライト
LEDライトLEDライトLEDライト
2分手回しで使える時間ラジオ* 約1時間40分
LEDライト 約30分
ラジオ* 約1時間40分
LEDライト 約30分
ラジオ 約15分
LEDライト 約25分
ラジオ* 約28分
LEDライト 約6時間
乾電池で使える時間ラジオ* 約80時間
LEDライト 約50時間
ラジオ* 約80時間
LEDライト 約50時間
ラジオ 約35時間
LEDライト 約60時間
非常用ブザー 約9時間
ラジオ 約24時間
LEDライト 約100時間
サイレン 約20時間
携帯・スマホの充電充電コード(マイクロUSBプラグ)、充電プラグアダプター付属
*iPhoneは市販
スマホ通話 約2分
スマホ待ち受け 約1時間20分
充電コード(マイクロUSBプラグ)、充電プラグアダプター付属*iPhoneは市販
スマホ通話 約2分
スマホ待ち受け 約1時間20分
充電用コード(USBマイクロB型プラグ)、USBコネクター付属*iPhoneは市販
スマホ通話 約2分
スマホ待ち受け 約30分
充電コードの付属なし
*市販品を使用
スマホ通話 約2分
スマホ待ち受け 約3時間40分
操作性★★★★★★★★★★
デザイン性★★★★★
価格¥8,680¥9,770¥9,350¥4,880

ラジオ*は、FMラジオの場合。

クラスル編集部が、悩みに悩んで選んだのは、
パナソニックのFM-AM2バンドレシーバー
その理由は、圧倒的なコストパフォーマンス!

非常事態時に使用するものなので、コストパフォーマンスが最もよいこの機種が選びました。

多機能な他の3機種も魅力的で、どれにしようか散々悩みましたが、
絶対に外せない機能が、最小限で備わっていること、
ラジオを聴ける時間は短いですがFM対応していること、
ライトが長時間点灯可能なことなどが評価されました。
何といっても、1万円近くする他機種の商品と比較して、
5000円弱という圧倒的なコストパフォーマンスのよさは魅力でした。

コンパクト&軽量なので、防災バッグの中に1つ入れておいても邪魔にならないのもよいです。

他の機種も負けず劣らず良い商品ですので、購入の際には記事を参考に選んでみてください。

取材・文/福井順子

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