生き方

モノとひとの素敵な関係 捨てられない宝物

Vol.1
フェンシング エペ 日本代表
NEXUSホールディングス所属 見延 和靖 みのべ  かずやす 選手

世界の頂点に初めて立った瞬間を一緒に見届けた大切な相棒

他の人から見たら価値や魅力がないものだとしても自分には愛着がある。見るたびに初心に返る、心華やぐ、心落ち着く。あるいは思い出がつまっている。皆さんが大切にしまってあるそんな自分だけの“捨てられない宝物”をご紹介! 

今回はフェンシング エペ 日本代表の見延和靖選手の宝物を拝見。どんなエピソードを秘めたアイテムなのでしょうか。

プロフィール
1987年、福井県生まれ。高校入学時にフェンシングを始め、大学入学後はエペに専念。2015年のワールドカップで日本人初となる個人優勝に輝く。翌16年のリオ五輪では6位入賞。2018-19シーズンは世界ランキング1位となり、日本フェンシング界史上初の年間王者に。トップフェンサーとして東京五輪出場・金メダル獲得を目指す。

見るたびに新たな目標へと奮い立たせてくれる存在

フェンシング エペで2018-19シーズン世界王者に輝くなど、日本フェンシング史上初の快挙を次々に成し遂げてきた見延和靖選手。東京オリンピックでの金メダル有力候補と目されている見延選手にとっての捨てることのできない大切な宝物とは何でしょう。

「2015年、エストニアで開催されたワールドカップで初めて優勝し、世界一になったときに使っていたマスクです。」

準決勝で当時の世界ランキング1位ゴチエ・グリュミエ選手(フランス)との戦いを経て、世界の頂点に。「翌年に控えたリオデジャネイロオリンピックの選考も兼ねた大会で結果を出せたことはもちろん嬉しかったのですが、それ以上に感慨深かったのは日本にとって悲願だった主要国際大会での優勝を自分の手で掴みとることができたことです」。

しかも決勝戦で宇山賢選手と対決をしたので、結果、日本人が二人並んで表彰台に立つという誰も想像できないような光景が現実のものとなりました。 「表彰式で『君が代』が流れ、ふたつの日本国旗が上がる様子を見たときは鳥肌が立ちました。選手もコーチもスタッフもみんなが大喜びでした。このマスクを着けて闘い、世界一になった瞬間の光景は今でも忘れられません」。

「そしてこの優勝は決してゴールではなく、フェンシング界を日本勢が牽引していく新たな時代の幕開けを意味する。そんなことを意識できた瞬間でもありました」。

自身にとって、そして日本勢にとっても初めてとなる主要国際大会での優勝はゴールではなく、スタート。その言葉のとおり、それ以降の見延選手の活躍はまさに快進撃そのもの。ワールドカップ、グランプリで個人、団体合せて5回の優勝を果たす偉業も達成し、2018-19シーズンで世界ランキング1位に輝いたのです。

▲2018-19シーズンFIE年間表彰式にて

「誰もが到達していない最強のフェンサーになる。初めて世界一になったとき、僕はそう決意したんです。当時とは規定が変わり、このマスクを着けて試合に立つことはできなくなってしまいました。そこで、いつも目に入るところに置いてしっかりと記憶に刻もうとトランクルーム内に設けた壁に飾っています」。

▲見延選手が大切にするこのマスクが収納されているのは、ハローストレージのコンテナ型トランクルーム

「予想もしていなかった事が起こり、心が折れそうなときこそ、このマスクを見て、自分を応援し、支えてくれている人たちのことを思い出す。僕の宝物でもあるマスクは栄光に浸るものではなく、さらに高みを目指すために自分を奮い立たせてくれるもの。僕を見守り、支えてくれるお守りのような存在かもしれません」

剣はすでに身体の一部。剣先のポイントは自らメンテナンス

フェンシングに関わる道具は、自らメンテナンスをしているという見延選手。

「もともと道具へのこだわりがひと一倍強いんです。特に重要な剣はパーツごとのメンテナンスもできるだけ自分で行なっています。剣先のポイントヘッドも自分ではずしてルーターで磨き上げる。ここまでやっているフェンサーは恐らく世界中で僕くらいだと思います(笑) もちろん、修理などをしてくれる専門店や職人さんもいるのですが、使っていて感じた微妙な感覚を人に伝え、ミリ単位での調整をお願いするのはとても難しくて。それならば自分でと。やってみるとこのメンテナンスの時間が試合に向けて気持ちを集中させ、モチベーションを上げるにはとてもいいことが分かったんです」

フェンシングには「エペ」「フルーレ」「サーブル」の3種目があり、見延選手が競技するのはフェンシングの花形種目でもある「エペ」。エペは頭の先から足の裏まで全身すべてが有効面で先に突いたほうにポイントが入るため、一瞬たりとも気が抜けない駆け引きが求められるのです。

「剣は自分の手の延長。身体の一部のようなものです。自分の考えが指先を通して剣先まで瞬間的に伝わり、的確に相手を突くことが必要になります。だからこそ、試合のときだけではなく普段から剣先と意志の疎通ができるようにメンテナンスしながら剣と向き合っているようなところがありますね。

「どんな道具も僕にとっては勝利を一緒に掴んでいく大切な宝物」。

だからこそ、その役目を終えても大切にとってあると見延選手は語ります。 「2015年のマスクのようにずっと手もとに残しているものもあれば、例えばユニフォームだったら、フェンサーの卵たちにサインをして渡すことも。フェンシングに関わるすべてのものが僕にとって捨てられない宝物。そう思って、どんな物も大切に扱っています」


日本を代表するフェンサーの見延選手の宝物はやはりフェンシングにまつわるものでした。そしてそれを納めているのは、トランクルーム。

自分にとって愛着があり捨てられない宝物は、時がたつごとに増えていきます。そんな時はトランクルームを上手に使い大事にとっておくことで、より豊かな生活を送れるのではないでしょうか?

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撮影/野地康之 取材・文/堀朋子

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